天理市水道水源保護条例とは?
みなさまもテレビ・新聞の報道や天理市の広報紙「町から町へ」などでご存じのように、市民の飲み水(上水道)の水源の一つである天理ダムの上流、天理市苣原(ちしゃわら)町に、大規模な産業廃棄物処理施設の設置許可の申請がなされていましたが、平成13年2月20日、奈良県はその設置を許可しました。
この産業廃棄物処理施設の設置計画に対して、天理市や市議会は当初から反対意見を提出するなど反対の姿勢を示してきました。しかし、これらの意見を無視するような形で許可がなされ、市や市議会はもとより、多くの団体や市民が許可の撤回を求めています。
去る平成14年6月の定例市議会において、「天理市水道水源保護条例」が可決され、6月25日に公布されました。ここでは、水道水源保護条例とはどんな条例なのか、簡単に説明をしてみました。なお、説明にあたっては関係資料をもとにしていますが、専門的で難しい箇所も多いために、概略だけにとどめました。
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どんな目的の条例ですか?
天理市民が使っている水道の水源には、次の三つがあります。また、その割合は次のとおりです。
県営水道
・・・・・・約60%
天理ダム
・・・・・・約30%
井戸水(12カ所)・・約10%
この内、天理ダムの水源を守る目的で作られたのが「天理市水道水源保護条例」です。
天理ダムの水は、今でもそんなにきれいだとは言えません。天理ダムから取水する源水の水質は、淀川から取水している大阪の場合とあまり変わらないとも言われています。その天理ダムの上流に大規模な「安定型産業廃棄物処分施設」が建設される計画が持ち上がり、水源の汚染が心配される事態になってきました。この処分施設の建設撤回をもとめるため、また将来にわたって水源の保全を目的に条例が作られました。
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どんな決まりがあるのですか?
天理市は、水源の保護のために必要なことをしなければなりません。
市民や事業者は、市が実施する水源の保護のための施策に協力することになります。
特に、事業者は、指定された水源保護地域の中で水源を汚染する可能性があると思われる次の事業をする場合は、厳しく制限されていますので、水源の保護に必要な措置を行わなければなりません。
ゴルフ場
一般廃棄物最終処分場
産業廃棄物最終処分場
砕石場
残土処分場
その他水源の水質・水量に影響を及ぼすおそれのある事業所で別に定めるもの
もし、事業内容が規制事業に該当すると判定された場合は、事業を行うことはできません。違反すると、中止命令が出されたり、処罰されたりすることになります。
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水源保護地域が指定されました
水源の保護のために、天理ダムに水が流入する地域が「水源保護地域」として指定されました。地域の指定は、天理市水道水源保護審議会をへて行われました。
天理ダムに流入している藤井川、仁興川、苣原川、長滝川の4つの大きな川と、流入するすべての小川の流域が対象となりました。
指定にあたっては、地元の土地所有者だけでなく広く市民の意見が参考にされました。
水源保護地域の面積は、全部で約10.72平方キロメートルに及びます。地域の略図を参考にしてください。
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水道水源保護審議会とは?
水源の保護と水道事業がスムーズに行われるために、天理市水道水源保護審議会が設置されます。審議委員には、水源などについての専門家や市議会、市民の代表者などで約10名で構成されます。
審議会では、水源保護地域の指定に関すること、水源の水質及び水量への影響を評価する基準や基準に基づいた調査・審議、規制対象事業場に該当するかどうかの判定に関することなどが審議されます。
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保護条例で産廃処分施設は建設ができなくなる?
今回の水道水源保護条例は、天理ダム上流に建設が予定されている「安定型産業廃棄物最終処分施設」の計画撤回が目的で制定されたものです。そして、新しい条例は、この施設にも適用できると考えられていますが、法律的な解釈も立場が異なるとさまざまなあるようで、そう簡単にはいかないようです。今後、関係者間で検討や議論がなされていくことと思われます。
しかし、少なくとも、今後、新しく産廃処分場などが保護地域内に勝手に作られることはなくなります。水源の保護にとって、画期的なことと言えます。ただし、条例ができても、それをうまく運用しないと、ただの紙切れになってしまいます。今後ともしっかり、市民が監視していくことが大切です。
また、この条例で規制できるのは、広さが1000平方メートル以上のものに限られます。1000平方メートルと言えば、たとえば20m×50m、かなりの広さとなります。ということは、小規模な場合は、従来どおりということになります。もう少し、規制を厳しくすべきではなかったかと思われますが、問題点は残されたままです。
| 水質の悪化が心配される天理ダム | ||||
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